あそびの顔をした、まじめな設計
すべての課題の「ねらい」は、発達支援で使われる5つの領域——健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性——にそって設計しています。あそびに見えて、一つひとつがねらいをもった療育の時間です。
あとりえ課題の紹介
「あとりえくれよんdeマステ」の放課後等デイサービス「ぴあん」では、1日の活動を4つの「あとりえ課題」で組み立てています。 ゲームで学ぶ教科課題、心を整える3分間の瞑想課題、ものづくりや講座に取り組むメイン課題、いろいろな教具で体を動かす運動課題。 どれもあそびのように楽しくて、その一つひとつに療育(発達の特性に合わせた支援)としてのねらいがあります。 このページでは、4つの課題の中身をくわしくご紹介します。
「放課後等デイサービス」は、支援が必要な子どもたちが、放課後や長期休暇に通える福祉サービスです。
こくご・さんすうを月替わりのゲームで
※長期休暇中は14:00〜17:45でお預かりします。
すべての課題の「ねらい」は、発達支援で使われる5つの領域——健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性——にそって設計しています。あそびに見えて、一つひとつがねらいをもった療育の時間です。
課題は月曜〜金曜の曜日ごとのチームで行い、年齢や能力に応じたグループ分けをしています。サービス名の「ぴあん(PEERN)」はPEER=なかまから生まれた名前。どの課題にも、なかまとの関わりが組み込まれています。
どの課題も時期ごとにテーマや教材が替わり、週を追って少しずつステップアップしていく組み立てです。「初めてでも入りやすく、慣れたら物足りなくならない」を大切にしています。
課題①|平日 16:30〜16:55
こくご・さんすうを、月替わりのゲームで。

教科課題では、国語と算数を月ごとに交互に行います。学びの要素に比重を置きながら、ゲーム性を交えて楽しさも感じられる内容にしているのが特長です。「勉強しなさい」ではなく「今日のゲーム、やろう!」から始まる25分。教材にしているのは、市販の良質なカードゲーム・ボードゲームです。
点数はつけず、ゲームの楽しさだけを味わう週。先生がお手本役になり、ルールは動画やスライドで目で見てわかるように伝えます。スタッフが一人ひとりの理解のようすを見て、その後の進め方やサポートの度合いを見立てる週でもあります。
実物のゲームで練習。点数計算やルールを少しずつ取り入れます。
文字の向きを変える、回数を制限する、ペアで相談して答えるなど、少しずつ難しくしていきます。
進行役(ゲームマスター)や審判を子どもが担当。「教わる側」から「回す側」へ。ふりかえりや作品の掲示で締めくくります。
※課題名は、教材として使っている市販ゲームの商品名です。
場のカードの文字で始まり、手札のカードの文字で終わる言葉を、ひらめいた人から出していく「スピードしりとり」。低学年は「"か"から始まって"い"で終わる言葉、なーんだ?」というなぞなぞ風から入り、高学年は通常版で本気の勝負まで楽しみます。
透明カードを2〜4枚重ねてできた文字を読み解くゲーム。出題も回答も子どもが担当し、答えをホワイトボードに書いて一斉に答え合わせ。週を追うごとに文字の向きや裏表が変わって、少しずつ難しくなります。
表情カードの顔真似をして、どのカードの真似かを当て合うゲーム。「伝わったチーム数」がそのまま得点になるので、伝わるほどうれしい仕掛けです。鏡で表情をたしかめながら、気持ちを表す言葉も増えていきます。
丸・棒・三角・四角の4つの図形スタンプだけを使って、お題のものを表現する造形ゲーム。勝ち負けはありません。最終週は自由テーマで作り、みんなの作品を「あとりえのみんなのすきなもの」として掲示します。
「30cmって、どのくらい?」。お題カードに描かれたものの長さを予想して、手札からいちばん近いと思う数値カードを出して当てるゲーム。長さの感覚がゲームの中で育ちます。
このほか、数や計算をあつかうゲーム(トータスメダル)などにも取り組んでいます。
課題②|メイン課題の前の3分間
3分間の呼吸で、気持ちを切り替える。

メイン課題に入る前に、毎日3分間だけ行う気持ちの切り替えの時間です。基本の呼吸法で自分の体をコントロールし、自分の気持ちに気づくトレーニング。いわゆるマインドフルネス(「いま」の自分の体や気持ちに気づく練習)を、子ども向けにやさしく翻訳した時間です。
毎回の始まりには、先生と子どもたちの決まった問答があります。「瞑想をすると、どんないいことがあるんだっけ?」——
この答えを子どもたち自身が言えるようになるまで、毎回くり返し確認します。
「瞑想って何をするんだっけ?」先生との問答で、目的をみんなで確認
今日のテーマと、やり方のポイントを聞く
先生が1セットやってみせる
自分でも1セットやってみる
電気を消してBGMを流し、メトロノームのリズムに合わせて3分間
3分間できたらゴール(ろうそくの月は、火をフッと吹き消してゴール)
呼吸は「鼻から吸う → 止める → ゆっくり細く吐く」で1セット16秒。教室には呼吸のリズムを描いたシートを掲示し、目でも確認できるようにしています。途中でほかのことを考えてしまっても大丈夫。「いま、ちがうことを考えていたな」と気づいて、そっと呼吸に戻る——この「気づいて、戻す」こそが練習です。
テーマは月替わり。ろうそく、ストロー、ヨガ、お茶の香り、温めた石……と毎月道具や体の使い方が替わるので、「今月は何かな?」と楽しみになる時間です。
ろうそくの火を消さないように、細く長く息を吹きかけながら呼吸します。自然と深い呼吸になり、ゆらめく火を見つめることで集中力も高まります。最後は火をフッと吹き消してゴール、という達成感のある締めくくりです。
息を止めるときに手・足・おなか・目・口にギュッと力を入れ、吐くときにストンと抜く、をくり返します。「力が入った状態」と「ゆるんだ状態」のちがいを体で感じ、自分の緊張に気づいてほぐす練習です(「漸進性筋弛緩法」と呼ばれるリラクゼーション法がもとになっています)。
先生の声かけに合わせて、体の部位にひとつずつ意識を向けていきます。最初の週は実際にそっと触ってたしかめ、慣れてきたら頭の中のイメージだけで。自分の体の小さな変化に気づく力を育てます。
温かいお茶を入れたビンの香りとぬくもりを感じながら呼吸します。アップルティーから始めて、ほうじ茶、カモミール、ミントへと、刺激が少なく安心感のある香りから段階的に。嗅覚や触覚もつかう、五感の瞑想です。
ヨガの「戦士のポーズ」で、呼吸に合わせて両手をゆっくり上げ下げします。マットの上で足を大きく開き、体幹とバランスも同時にきたえます。後半の週にはおもちゃの武器を持ってかっこよくポーズを決める、お楽しみ要素もあります。
課題③|平日 17:00〜17:45
つくる、演じる、あそぶ。なかまに認めてもらうまでが1セット。


2026年8月号「メイン課題」より月刊ぴあんで見る
メイン課題は、ぴあんの中核となる課題です。「ものづくり系」「講座系」「単発系」の3つのカテゴリーがあり、月ごとにさまざまな課題に取り組みます。「子どもたちに、広くいろんな体験をしてほしい」——その想いがいちばん詰まった45分です。
いろいろな画材や道具の使い方を覚えながら、創造力・表現力・手先の器用さを育てます。ひとりで作る課題と、なかまと協力して作る課題があり、完成したら互いの作品を鑑賞し合って、いろいろな価値観や表現があることを知ります。絵画(マスキングテープアートなど)と工作(くるみボタン、おりがみ、アイロンビーズ、センサリートイなど)があります。
先生の話を聞くだけの受け身の授業ではありません。学んだ知識をもとに、学年やレベルごとのグループでディスカッションやロールプレイ(役割を演じる練習)を行います。柱は2つ。SST(ソーシャルスキルトレーニング=友だちづきあいの練習)では気持ちとの付き合い方や他者理解を、身辺自立では整理整頓や体のしくみを学びます。
ゲームやクイズを通して、非認知能力(向上心・忍耐力・協調性など、数値では測れない力)を育てる課題です。世界のボードゲームであそび倒す回と、見る・聴く・触るの感覚を研ぎ澄ます「選手権」の回があります。
毎回、活動を5つの場面で区切って進めます。「次に何をするか」がいつも見えているので、初めての課題でも安心して取り組めます。
今日の流れをみんなで確認します。見通しが立つと、安心して始められます
ほんぺんに向けた準備をします
今日の課題に挑戦します
自分の頑張ったところ・工夫したところを言葉にして、なかまに聞いてもらいます。つくって終わり、あそんで終わりではなく、なかまに認めてもらうまでが1セットです
使ったものを片づけて、今日の課題はおしまいです
多くの課題は2回(2週)構成で、1回目より2回目が少しレベルアップします。たとえば1回目はひとりで制作、2回目はペアで協力制作——自己表現の楽しさと共同作業の大切さの両方を経験できる組み立てです。
メイン課題では、毎回ワークブックを作成します。自分の考えを書き出して整理する練習になり、家に持ち帰れば「今日は何をしたの?」の会話のきっかけや、おうちでのアウトプットにも役立ちます。
施設名の由来でもあるマステを、切る・貼る・ちぎるして絵を描く、あとりえの看板活動です。干支のカレンダーや夏のうちわなど、季節の作品を制作します。
ビーズがゆっくり動くボトルを手作りする、センサリートイ(感覚おもちゃ)の課題。完成したら、眺めるだけで気持ちが落ち着く「自分専用のクールダウンツール」になります。
手順書を見ながら紙飛行機を折り、テスト飛行と改良をくり返して、バトル本番で飛距離を競います。「作る」と「競う」がひとつになった、試行錯誤を楽しむ課題です。
アニメ「はたらく細胞」で体のしくみに親しみ、衣装や小道具を使って細胞になりきるロールプレイ劇。作戦会議で話し合い、なかまとひとつの場面を作り上げます。
カードゲームで「自分が何にどのくらい怒りやすいか(怒りスイッチ)」を知り、ロールプレイで怒る側・怒られる側を演じて、「相手も自分もしんどくならない、ちょうどいい怒り方」を探ります。専門書に基づく怒りのコントロール講座です。
水彩色鉛筆やクレヨンのぬり絵で、言葉にならない気持ちを色で吐き出して、心を元気にします。色彩心理の専門書に基づき、色のもつ意味にも触れます。
磁石どうしがくっつかないように置いていくボードゲーム。指先の力加減と空間の認識、そして「くっついちゃった!」のイライラを切り替える練習を、楽しみながら積めます。
カードを見て、正解のコマを誰より早くつかむ反射神経ゲーム。すばやい情報処理とルールの切り替えをきたえ、お手つきしても「次はがんばるぞ!」と気持ちを切り替える練習になります。
課題④|レベル分けされた教具で
いろいろな体の動かし方を、自分のペースで一段ずつ。
さまざまな教具(運動の道具)を使って、いろいろな身体の動かし方を習得する課題です。すべての教具がレベル分けされているので、運動が苦手な子も、自分のペースで段階的に取り組めます。
運動課題のしくみ: 教具からシールブックまでの流れ 教具 レベル 3つのステップ クリアでシール シールブックへ
はしご状の教具の上を、手や足で進みます。ラダーに当たる感覚から体と物との境目をつかみ、ボディイメージや、見たいものを目で追う力(追従性眼球運動)、全身の筋力を育てます。多様な動きの経験が、将来の運動能力の土台になります。
握る、踏んで進む、背中や頭に乗せて運ぶ、キャッチする——お手玉ひとつで多彩な動きに挑戦します。手先の器用さ(微細運動)や足裏のバランス感覚を育て、ペアで行うビンゴゲームでは、相談して協力する経験も積みます。
「はこにいれる」「たたむ」「こする」「つなひき」など、身近なタオルで多様な動きを経験します。たたむ・こするといった動作は、衣服の着脱や清潔保持など、毎日の生活に必要な基本的技能にもつながります。
マットの上に並べた飛び石を、落ちないように渡ります。ジャンプとバランスで脚力・体幹・柔軟性を育て、「次はどの石に飛ぶ?」と考えることで、計画的に行動する力も養います。
足形の位置に立ち、制限時間60秒でマーカーコーンに風船を投げ入れます。入ったコーンの色でポイントが変わるので、力加減と作戦がカギ。入らなかった風船を自分で拾いに行くのも、ルールのうちです。
シートの上を、ケンケンや手押し車のポーズで、指定の色から外れないように進みます。片足バランスで脚力を、手押し車で腕と体幹をきたえ、ペアで行う手押し車では助け合う心も育ちます。
このほか、おてだま・タオル・ラダー(春)、ぽっくり・バランスクッション・シフォンスカーフ(夏)、バランスボード・しんぶんし・ストラックアウト(秋・冬)と、シーズンごとの教具が登場します。くわしい取り組みのようすは、見学・相談のときにお気軽におたずねください。
4つのあとりえ課題は、どれも月ごと・シーズンごとにテーマや教具が替わります。教科課題は1か月にひとつのゲーム、瞑想課題は毎月ちがう「ホッとタイム」、メイン課題は季節の作品づくりや講座やゲーム、運動課題はシーズンごとの教具。だから1年通うと、これだけたくさんの「はじめて」に出会えます。
「子どもたちに、広くいろんな体験をしてほしい」——ぴあんがいちばん大切にしている想いです。
下に並べたのは、これまでに取り組んできた活動の名前です。ジャンル分けは、体験の広がりが見えるように、このページで整理したものです。
色と絵文字の見かた
きって、はって、つくる。
うごかす、かんじる。
きもちに気づいて、ととのえる。
よむ、かぞえる、かたづける。
はなしあう、きりかえる、いっしょに楽しむ。
2025年1月から12月に、実際に取り組んだ活動です(教科課題・瞑想課題・メイン課題)。同じゲームが半年ほどして、もう一度めぐってくることもあります。
瞑想課題 ろうそくでホッとタイムメイン課題 ゴムバンド・マグネット
教科課題 怒りの避難訓練瞑想課題 ゆるめてホッとタイムメイン課題 なかまを知ろう
瞑想課題 ストローでホッとタイムメイン課題 メタリックキャラクターメイン課題 メタリック恐竜
教科課題 エモジト!瞑想課題 フラミンゴでホッとタイム
教科課題 インクdeリンク瞑想課題 かたをまわしてホッとタイム
教科課題 ワードバスケット瞑想課題 ボディスキャンでホッとタイムメイン課題 お部屋のお片付け
教科課題 トータスメダル瞑想課題 ふきあげパイプでホッとタイムメイン課題 傘のモビールメイン課題 クラスター
教科課題 ヨメルかな瞑想課題 戦士のポーズでホッとタイムメイン課題 うちわメイン課題 はたらく細胞シアター
教科課題 インクdeリンク瞑想課題 イメージでホッとタイムメイン課題 センサリーボトルメイン課題 お友だちってなんだろう?メイン課題 キャプテン・リノ
教科課題 ヨメルかな瞑想課題 はくしゅでホッとタイムメイン課題 おばけキャッチ
教科課題 トータスメダル瞑想課題 かおりでホッとタイム
教科課題 エモジト!瞑想課題 ぽかぽかアイテムでホッとタイムメイン課題 イラストカレンダー
運動課題は、月ではなくシーズンで替わります
こうして1年をならべてみると、つくる・うごく・かんがえる・きもちをととのえる・なかまと関わる——ぜんぶの体験が、少しずつ重なっていきます。マスキングテープを重ねるように、その子だけの色が増えていく1年です。
4つのあとりえ課題で今月なにに取り組んでいるかは、課題内容の閲覧アプリ「月刊ぴあん」で毎月公開しています。課題のねらいやワークブックの一部まで、どなたでもご覧いただけます。ぴあんは、療育の中身が見えることを大切にしています。
月刊ぴあんを開く(新しいタブで開きます)
教科課題はドリルではなくゲーム形式です。低学年版・高学年版の2本立てや50音表などの補助を用意し、学年のちがうなかまとのチームプレイや、見る・聞く・さわるをつかう多感覚的なアプローチで、一人ひとりに合わせて進めます。
個別支援計画(お子さま一人ひとりに合わせて作る支援の計画)のもと、短い活動を組み合わせ、視覚的な場面転換と適切な休憩をはさみます。メイン課題の「5つの場面」のように、見通しを目で見えるようにする工夫を毎日の課題に組み込んでいます。
課題は知識や興味に応じた3段階のレベル設定で、成功体験を積み重ねられるようにしています。勝ち負けのない課題もあり、負ける経験そのものも、あそびの中で少しずつ向き合えるよう設計しています。
クラフト活動は、簡単な作業から段階的に取り組みます。完成した作品をなかまと鑑賞し合う時間まで含めて、「できた!」の経験を大切にしています。
「うちの子は、どの課題をどんなふうに楽しめるだろう?」——そんな疑問には、40分の個別見学・相談でお答えします。お子さま同伴、大歓迎。当日はお子さまのペースに合わせて、マステを使った簡単なあそびから始めるので、初めての場所が苦手でも大丈夫です。
「受給者証(通所受給者証)」は、放課後等デイサービスなどの福祉サービスを利用するために市町村が発行する証明書です。まだお持ちでなくても見学でき、取得の方法は見学時に丁寧にご案内します。 ご利用までの流れを見る
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